行政書士はどんな仕事?弁護士・司法書士との違いを歴史から解説

「行政書士と弁護士や司法書士って、どう違うの?」と疑問に思われる方は少なくありません。

実はこの違いは、現代の制度だけではなく、歴史をひも解くとその背景が見えてきます。

この記事では、行政書士の仕事を歴史的な流れから整理し、弁護士や司法書士との違いをわかりやすく解説します。


1. 共通のルーツは「代書人」

行政書士・弁護士・司法書士のルーツは、明治初期に制度化された「代書人」や「代言人」にさかのぼります。

  • 代言人:現代の弁護士に相当し、裁判での代理を担いました。
  • 代書人:契約書や役所に提出する文書を代わりに作成する役割で、後の行政書士・司法書士の源流です。

このように、三者はもともと「人々の法的な手続きを助ける」という共通の役割から派生しました。


2. 弁護士と行政書士の違い

  • 弁護士:裁判所での訴訟代理、法廷での弁護活動が最大の特徴です。刑事事件・民事事件を問わず、司法の場で依頼者を守る「法廷の専門家」。
  • 行政書士:官公署に提出する書類作成、許認可申請、相続・遺言のサポートが中心。「役所や行政との手続きを円滑にする専門家」。

つまり、**弁護士は“裁判”行政書士は“役所”を相手にする仕事と言えます。


3. 司法書士と行政書士の違い

  • 司法書士:不動産登記や商業登記など、法務局への登記手続きを専門とする資格。裁判所での簡易裁判代理権も一部認められています。
  • 行政書士:登記は扱えず、官公署への許認可手続きや民事法務書類の作成を担います。

歴史的に見ると、司法書士は「登記の専門家」行政書士は「行政手続の専門家」として分化しました。


4. 歴史から見る三者の位置づけ

  • 弁護士:明治5年の「司法職務定制」で代言人として制度化。法廷での代理権を持つ。
  • 司法書士:1919年の「司法代書人法」により登記文書の専門職として整備。
  • 行政書士:1951年の「行政書士法」により制度化。戦後の行政手続の複雑化に対応するために誕生。

このように、それぞれが社会のニーズに応じて分化・制度化され、現在の専門分野が確立しました。


5. まとめ

  • 弁護士=裁判の専門家
  • 司法書士=登記の専門家
  • 行政書士=行政手続の専門家

いずれもルーツは「代書屋」にあり、人々の暮らしを支えるために進化してきた職業です。歴史を知ることで、行政書士が担う「国民と行政をつなぐ役割」がより鮮明に見えてきますね。


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