亡くなった夫に隠し子がいた場合、相続はどうなる?
相続の手続きを進めている中で、
「実は夫には認知していた子どもがいた」
と知らされたら、どうすればよいのでしょうか。
この記事では、夫の死後に隠し子(婚外子)が発覚した場合の、相続の影響や対応について、できるだけわかりやすく解説します。
認知されていた子どもには相続の権利がある
夫に認知されていた子ども(たとえ婚姻関係にない相手との子どもであっても)は、法的に「残された人(相続人)」として扱われます。
これは現在の法律で明確に定められており、他の子どもや妻と同じ割合で財産を受け取る権利を持ちます。
婚外子であっても、差別されることは一切ありません。
認知とは?口頭ではダメ?
認知とは、「自分の子どもである」と正式に認める法的手続きのことです。
これは口頭での発言だけでは認められません。
正式に認知されるには、以下のいずれかが必要です。
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役所に「認知届」を提出している
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遺言書に「○○を認知する」と明記されている
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裁判所で「認知の訴え」が認められた
つまり、「あの子は俺の子だ」と言っていた、というような口頭での証言には、法的効力はありません。
遺産分割協議が終わったあとに隠し子が現れたら?
遺産分割協議とは、亡くなった人の財産を「誰がどれだけ受け取るか」を、残された人たちで話し合って決める手続きです。
この協議には、法的に相続の権利を持つ人が全員そろっている必要があります。
もし、認知されていた隠し子が後から発覚した場合、
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その人を除いて行われた協議は、無効になる可能性が非常に高い
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協議書を作り直すか、調停になる
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話し合いがつかなければ、家庭裁判所での審判(裁判のようなもの)に進む可能性も
となります。
遺言書で隠し子の存在を明記していた場合は?
遺言書の中で隠し子を認知し、その人に財産を渡す旨が書かれていた場合、その遺言は法的に有効です。
ただし、遺言の内容によっては、他の残された人たちが納得できずに争いになるケースもあります。
さらに、遺言書があっても、認知された子には「遺留分」という最低限の相続分を請求する権利があります。
そのため、完全に排除することはできません。
よくあるご質問
隠し子でも相続分は平等なの?
はい、認知されていれば、婚姻中の子どもとまったく同じ相続割合になります。
差をつけることはできません。
遺産分割協議が終わったあとに訴えられることはある?
あります。
認知されているにもかかわらず、その子を除いて協議を進めていた場合、やり直しになることがほとんどです。
遺言書があれば防げるの?
ある程度は防げますが、認知された子には「遺留分」があります。
すべてを他の人に遺贈することはできても、遺留分をめぐって争いが起こる可能性は残ります。
まとめ
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認知された子は、たとえ婚外子でも相続の権利がある
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相続人(残された人)全員が参加していない遺産分割協議は無効になる
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口頭での認知は法的には無効で、書面による正式な手続きが必要
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遺言書があっても、遺留分をめぐる請求はあり得る
相続トラブルは、遺言書がないことで一気に表面化することが多く、家族の関係まで壊しかねません。
だからこそ、遺言書は「書いておいた方がいい」ではなく「書くべきもの」と考えた方が良いかもしれません。
行政書士として、相続人調査や遺言書作成のサポートを行っています。
「こんなケースはどうなるの?」という段階でもお気軽にご相談ください。
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