再婚していても「前の子」に相続権はある?

〜実の子に相続権は残るという大原則〜

「再婚して別の家庭を築いた妻が亡くなった場合、
前の夫との子どもにも相続権はあるの?」

このようなケースも現実にあります。

再婚・連れ子・別世帯──
家族の形が多様化する現代において、
「相続関係はどうなるのか?」というご相談は非常に増えています。

今回は、
前の夫との子に相続権はあるのか
というテーマについて、法律的な根拠をもとに、
できるだけやさしく解説します。


結論:実子であれば、相続権はあります

たとえ、

・親権が前の夫にあったとしても
・別居していて長年会っていなくても
・新しい夫と別世帯を築いていても

➡️ 血のつながった「実の子」であれば、相続権はあります。


【民法第887条】
被相続人の子は、第一順位の法定相続人とする。


つまり、
親子関係が法的に存在していれば、相続権が発生するということ。


事例で確認しましょう

たとえば──

  • 妻:Aさん(再婚)

  • 前の夫との子:Bくん(親権は前夫)

  • 現在の夫:Cさん

  • 現在の夫との子:Dちゃん

この場合、Aさんが亡くなったときの相続人は:

  • Bくん(前の子)

  • Dちゃん(現夫との子)

  • Cさん(配偶者)

➡️ 子どもは「人数」で分けるのが基本なので、
 BくんとDちゃんがそれぞれ1/4ずつ、Cさんが1/2を相続するのが原則です。


● よくある誤解

誤解 正しい理解
「前の子だから相続権はない」 ❌ 実子なら相続権あり
「親権が前夫だから相続できない」 ❌ 親権と相続権は別
「別世帯だから関係ない」 ❌ 戸籍や血縁関係で判断

相続権がなくなるケースもある?

次のような例では、相続権がなくなる可能性があります:

  • 特別養子縁組により、親子関係が戸籍上も完全に終了した場合

  • 生前に相続放棄の意思を明確に示していた場合(相続開始後)

  • 養子に出され、法律上の親子関係が変更された場合(まれ)


補足:再婚相手との養子縁組は?

前の子(Bくん)が、
新しい夫(Cさん)と養子縁組していれば、
→ Cさんが亡くなったときにも相続権が発生します。

逆に、養子縁組していなければ、
Cさんの相続権は 一切発生しません。


● まとめ

子の立場 妻の相続権
前夫との実子 ✅ あり
再婚相手との子 ✅ あり
再婚相手と養子縁組していない前の子 ✅ 妻にはあり、夫にはなし

◆ 再婚・連れ子のあるご家庭は、遺言や対策が重要です ◆

親の想いがきちんと届かないまま相続が発生すると、
「こんなはずじゃなかった」という争いになりかねません。

  • 誰に、どの財産をどう残すか

  • 子どもたち全員が納得できる形は何か

そうした設計を考えるには、
遺言書や事前整理の検討が非常に有効です。

再婚・別世帯・連れ子がいる場合は、
相続の準備に専門家の知識が役立ちます。

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