はじめに
「遺言を公正証書で作ると、費用が高いのでは?」
そう心配される方は少なくありません。
しかし、費用の仕組みを正しく理解しておくと、不安なく準備ができ、後悔のない選択が可能になります。
この記事では、2025年6月現在の制度に基づき、公正証書遺言にかかる費用の内訳や相場、注意点をわかりやすく解説します。
公正証書遺言とは?
公正証書遺言は、公証人が内容を法的に確認し、公文書として作成する最も確実な遺言方式です。
原本が公証役場に保管され、家庭裁判所の検認が不要なため、相続手続きがスムーズに進みます。
公正証書遺言の費用の内訳
公正証書遺言の費用は、大きく分けて以下の4つです。
区分 | 内容 | 概算費用(税込) |
---|---|---|
① 公証人手数料 | 財産額に応じて計算 | 11,000円〜110,000円程度 |
② 証人報酬 | 証人2名の謝礼 | 5,000円〜10,000円/人(奈良市の場合は8千円) |
③ 原案作成支援費 | 行政書士等への報酬 | 33,000円〜110,000円(事務所による) |
④ 出張費(必要時) | 自宅・病院・施設などで作成する場合 | 実費(地域・距離による) |
公証人手数料の計算方法(2025年6月時点)
公証人手数料は、遺言に記載する財産の評価額に応じて段階的に定められています(公証人手数料令)。
財産額(1人あたり) | 手数料(税込) |
---|---|
100万円以下 | 5,000円 |
200万円以下 | 7,000円 |
500万円以下 | 11,000円 |
1,000万円以下 | 17,000円 |
3,000万円以下 | 23,000円 |
5,000万円以下 | 29,000円 |
1億円以下 | 43,000円 |
3億円以下 | 95,000円 |
3億円超 | 110,000円(上限) |
※財産が複数人に分けられる場合は、各人に対応する手数料を合算します。
費用の具体例
ケース1:預貯金1,000万円を妻に全額相続させる場合
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公証人手数料:17,000円
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証人2名の謝礼:20,000円(10,000円×2)
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行政書士サポート費用:55,000円(文案作成・資料準備)
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合計:約92,000円(税込)
ケース2:不動産3,000万円+預貯金500万円を2人の子へ相続させる場合
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公証人手数料:23,000円+11,000円=34,000円
-
証人謝礼・行政書士費用含めると、総額:約110,000〜150,000円
よくある質問
Q. 財産が少ないのに公正証書にする意味はありますか?
あります。たとえ少額でも、
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確実に意志を残したい
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家族間のトラブルを避けたい
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法的ミスによる無効を避けたい
という方には、公正証書遺言は有効な手段です。
Q. 証人は自分で用意できますか?
可能です。ただし、以下の方は証人になれません。
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推定相続人(配偶者・子など)
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未成年者
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公証人の配偶者や親族
信頼できる第三者がいない場合は、行政書士や専門業者が証人手配を代行することが一般的です(有料)。
まとめ
公正証書遺言は費用がかかるものの、それに見合う安心・確実性を得られる方式です。
費用の内訳を知っておけば、不要な出費を避けつつ、自分に合った遺言作成が可能になります。
不安なまま後回しにするよりも、一度専門家に相談して、見積もりをとってみることをおすすめします。
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