〜再婚家庭における「相続のリアル」〜
「もしも自分が先に亡くなったとき──
妻の“連れ子”には、相続する権利があるの?」
そう疑問に思ったことはありませんか?
実はこのケース、
法律的には “ある手続き”をしているかどうか で
相続の行方が大きく変わってきます。
● 結論から言うと…
連れ子(妻の前夫との子)には、原則として「相続権はありません」。
なぜなら、法的に「親子関係がない」からです。
民法は、相続人の範囲を以下のように定めています。
▽【根拠:民法 第887条 第1項】
被相続人の子は、第一順位の法定相続人とする。
つまり、“自分の子”でなければ法定相続人にはなれません。
妻の前夫との子供は、血縁上は自分の子ではないため、
そのままでは相続人には含まれないのです。
● でも、一つだけ「相続人」にする方法があります
それは──
「養子縁組」をすること。
たとえば、妻の連れ子とあなたが 法的に養子縁組を結んでいれば、
その子は“実子と同じように”相続人になります。
▽【根拠:民法 第889条 第1項 第1号】
被相続人の養子は、相続人となる。
つまり、
血のつながりがなくても「法的に親子」となれば、
相続権を持つことになるのです。
● 裁判所の考え方は?
この問題に関連する代表的な判例としては──
【東京高裁 昭和50年4月24日判決】
「再婚相手の子供であっても、養子縁組の届出がされていない限り、法定相続権は発生しない」
と明確に判断しています。
このように、裁判所も「法的な親子関係の有無」を
相続権の判断基準としていることがわかります。
● では、もし養子縁組していないまま亡くなったら?
その場合でも、遺言書を作成しておけば、
連れ子に財産を渡すことは可能です。
▽【根拠:民法 第964条】
遺言によって、法定相続人以外の者に財産を与えることができる(=遺贈)
ただし、遺言の形式が正しくないと無効になるおそれがあるため、
専門家のサポートを受けながらの作成をおすすめします。
● まとめ
状況 | 妻の連れ子に相続権は? |
---|---|
養子縁組していない | ✕(法定相続人ではない) |
養子縁組している | ○(実子と同じ扱い) |
養子縁組していなくても遺言がある | ○(遺贈により可能) |
● こんなご相談が増えています
・「連れ子と仲は良いが、相続のことは話しづらい…」
・「再婚して10年。そろそろ考えた方がいいのかも」
・「遺言を残したいけれど、何を書けばいいかわからない」
こうしたご相談に対して、
“法律だけでなく、ご家族の想いも大切にする”
サポートを心がけています。
◇ 元気なうちが“書きどき”です ◇
もし、
「うちの場合はどうなるの?」という疑問があれば、
お気軽にご相談ください。