遺言書というと、
「お金持ちの人のものでしょ?うちは関係ないわ」
と言われることがありますが、決してそうではありません。
「財産が多いかどうか」に関係なく、“自分の意思をきちんと残したい人”すべてにとって大切なものです。
◆なぜ「お金持ちのもの」と思われがちなのか?
テレビドラマや映画で描かれる遺言書の多くは、豪邸・資産・会社の株を持つ大富豪が登場します。そこでは、
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「全財産は長男に相続させる」
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「遺産相続で骨肉の争い」
といった演出がされることが多いため、
「遺言=お金持ちのためのもの」
というイメージがついてしまったのかもしれません。
しかし、現実はそう単純ではありません。
◆具体例:こんな人にも遺言書は有効です
① 持ち家と少しの預貯金がある高齢のご夫婦
相続人は子どもが2人。
「家は長男夫婦が同居しているので、そのまま住んでほしい」
という希望があっても、遺言がなければ法定相続に従って「家を2人で分ける」ことになり、最悪、売却せざるを得ないケースも。
▶ 遺言があれば「この家は長男に」と意思を伝えることができ、希望を叶えられます。
② 再婚して連れ子がいる家庭
前の配偶者との間に子どもがいる場合、
法律上その子どもにも相続権があります。
「今の家族に全て残したい」という場合でも、遺言がなければ思わぬ争いになることも…。
▶ 遺言で「現在の配偶者とその子に財産を」と明確に示せば、トラブルを未然に防げます。
③ 子どもがいないご夫婦
夫婦どちらかが亡くなったとき、配偶者以外にも「兄弟姉妹」が相続人になります。
「全部、配偶者に残したい」と思っていても、遺言がなければ配偶者が100%受け取ることはできません。
▶ 遺言書で「全財産を配偶者に相続させる」と明記することで、確実に想いを実現できます。
◆遺言書が「いちばん効く」相続対策
「うちはたいした財産がないから大丈夫」とおっしゃる方ほど、
いざという時にトラブルになりやすい傾向があります。
例えば…
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預貯金300万円の分け方で家族が揉める
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親名義の家の名義変更が進まず売却できない
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兄弟間で話がこじれて関係が壊れる
といったご相談は、実際によくあります。
▶ 逆に言えば、財産の多少にかかわらず、
「遺言書があるだけでスムーズに解決できる」ことも多いのです。
◆まとめ:遺言書は「人生のメッセージ」
遺言書は、“お金をどう分けるか”だけではありません。
「誰にどんな想いを託したいか」
という、人生の締めくくりとも言えるメッセージなのです。
財産が少なくても、トラブルの芽はあります。
むしろ財産が少ないからこそ、「揉めてほしくない」
という気持ちが強くなる方も多いのではないでしょうか?
◆遺言書について気になることがあれば
ならとみ行政書士事務所では、
「どの方式で書けばいいの?」
「内容はこれで合ってる?」
といった初歩的なご相談も受け付けています。
お気軽にご相談ください。